2010年5月14日金曜日

家畜伝染病・牛疫の防疫

写真の説明にある通り,明治二十四年の大阪での牛疫流行の際には時重初熊博士自ら出張して病性鑑定し,現場の指揮を執っている.この頃の駒場農学校の卒業生は我が国の畜産業の基礎を築くとともに,家畜衛生,乳肉食品衛生にと幅広く活躍している.当時,個別の診療が問題になる動物は軍馬のみで,軍馬の診療は陸軍馬医が担当したから,馬以外の家畜の事は全て獣医が受け持つ事となった.時重初熊博士は我が国最初の獣医学博士で,家畜病理学の祖,『家畜医範』の生理学を著している.明治期に牛疫で失った経済損失は略国家予算の一年分に相当する膨大なものであった.また,当時の家畜伝染病の防疫の原則は『疑わしきは処分』で,診断中に病毒が蔓延する事を非常に恐れている.
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2010年5月13日木曜日

家畜防疫官と家畜防疫員

家畜伝染病予防法に規定する事務に従事させるために農林水産省に家畜防疫官,都道府県に家畜防疫員を置く.これらは獣医師の中から任命する.これらは職務を執行する時は証票を携帯する.
学而不思則罔