2012年1月5日木曜日

牛療治調法記は相合版

牛療治調法記に銭屋三郎兵衛版と丁子屋九郎右衛門版の二版がしられているが,いずれも宝暦六年丙子七月吉日刊の相合版である.開版版元は銭屋で,丁子屋の版名は入木.丁子屋の版も扉の版元は銭屋と彫られている.書の内容は元亨療馬・療牛集の牛経大全と同じである.この他に丁子屋が出版した牛療治書に牛科撮要がある.著者は摂陽之野人桃林子で,付録は馬療治書である.書の内容を見ると,生薬の薬名,処方は漢方式であるが,病名の一部には和名と思われるものがある.和名と思われる病名を記載する牛療治書には,杏雨書屋の『牛書』,今泉実兵氏蔵本『牛医一流之秘伝書』等がある.
学而不思則罔