2011年12月18日日曜日

北斎漫画六編の蹄繕い

伯楽による蹄の繕い.流石に北斎は一流の絵師だけあって良く見ている.包丁の裏表まで誤りは無い.更に助手の描写は実際に目にした者だけが描ける絵である.馬という動物は四足では自在に動けるが,三足では立つだけ,二足になると転ぶから,簡単な徒手保定で蹄の繕いが出来る.牛馬の手足を持ち上げるのは随分と力が要るように見えるが,実際は三本の手足に体重を分散するので,保定する人間はわずかの力である.考古学者の論文には馬はデリケートな動物で扱い難いとする者が多い.確かに馬は知能が高く,繊細な生き物ではあるが,調教されると大変に扱い易い動物になる事も確かである.明治大帝愛馬の逸話の数々が「日本馬政史」にある.
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学而不思則罔