2015年11月3日火曜日

馬経諺解

新聞広告に「馬経諺解」という気になる書名があったので早速に検索して見た。朝鮮本で日本にも幾人かの研究者がいるようである。但しこれらの研究者は殆ど文系の漢学系で、馬医学の関係者はいないようなので、これからしばらく調べて見る事にする。
まず、諺解。「諺解」とは「諺文」すなわちハングルによる漢字音注と朝鮮語訳を施すことで、ハン グルの公布(1446 年)直後から李朝の末期まで広く用いられた形式である。
次に三木栄著「朝鮮医学史疾病史」364Pの半島獣医学に「馬経抄集諺解」二巻、粛宗八年頃刊とあるから、この書は中国の「馬経」の一部をハングルで書いたものである事がわかる。更に三木栄によるとこの頃「新刻参補針医馬経大全」も訓錬都監小活字で刊行とあるから、半島でも「元亨療馬集」が刊行されていた事が分かる。京都大学蔵書の画像を見てみると、馬の画は日本の馬経大全や明刊の元亨療馬集とそっくりである。

2015年2月14日土曜日

元亭療馬集とは?


「古典籍展観入札会」大阪古典会に写真入りで掲載されていた。写真が小さいので正確なことはわからないが「医駝方」と「牛経大全」「元亨療馬集」の合冊に見える。刊年版元の記載がないが書体や図の具合から見て、清期の地方書房の手になるものであろう。学術資料としての価値は殆どなく、骨董品として値打のあるものでもない。「元享療馬」までの間違いは結構多いが、「元亭療馬集」になると流石に少なく、グーグルで検索しても僅かしかヒットしない。
学而不思則罔