2017年7月16日日曜日

大正時代の獣医学雑誌「現代の獣医」

編集兼発行人は山崎英胤である。
現在の獣医師法は戦後占領軍司令部によって制定されたものである。その前の旧法「獣医師法」にも獣医師の名称があるので、この名称は何時から使われ始めたかを調べてみた。外国の制度を取り入れて明治十八年に免許規則が布告された時は『獣医』で、陸軍の馬医と従前の伯楽以外は、お雇い外国人教師も皆『獣医』であった。やがて、軍の馬医は陸軍獣医と名称を変更するが、法律上の職業名は民間と同じ『獣医』である。従って、大正期の獣医学雑誌を読むと、農学士、農学博士、獣医学士、陸軍一等獣医の名はあっても獣医師の名はどこにもない。大正期になって中等学校の中でも獣医養成が出来るようになると、地方獣医の技術は益々低下し、終には農民の評価は近世の伯楽以下になったと、現代の獣医には記されている。この能力低下の問題を解決するために新しい獣医師制度が作られるのが大正十五年四月六日の法律第五十三号である。

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学而不思則罔